いつでも世間を騒がせている「年金問題」。
前回は、世界各国の年金システムを比較して、点数付しているマーサーグローバル年金指数のレポートを元に日本の年金を見てみました。
今回は私の住んでいるマレーシアの年金指数のランキングと年金システムをご紹介します。
前回の記事はこちらから:
<マーサー年金制度調査の詳細> 日本よりも強いマレーシアの年金制度 〜前編 人生設計をしっかり立てよう〜
マレーシアの年金システムは日本より高評価?! (日本語訳)
結論から言うと、マレーシアの年金システムは37カ国中17位となり中の中となります。
日本のランキングが31位なので非常に優秀だと考えられます。
アジアでマレーシアより上位はシンガポールと香港だけとなります。
マーサーのマレーシア出すレポートを見てみましょう。
*以下、日本語訳となります。
マレーシアの退職後収入のシステムはEPF(従業員将来に備えるファンド/Employee Provident Fund)に基づきます。
EPFは民間及び受取資格のある公共機関の従業員を対象としています。
EPDの下、退職後向けに備えながら、収益の一部をいつでも引き出す事が可能です。(例:教育、住宅ローン、重病)
マレーシアの年金システムの全体指標値は以下のにより上昇します:
・最も貧しい高齢者への最低補助の上昇
・世帯貯蓄レベルの上昇と世帯負債レベルの減少
・退職金の一部が収入源として取られる必要性の導入 (=退職金も通常の所得と同じ課税をする。)
・平均余命は上昇が継続するとして、国民年金時代(支払い期間)の更なる増加の発表
マレーシアの指数値は2018年の58.5%から2019年には60.6%へ上昇した。
主な要員にOECD公表のネット(元情報)代替え率のデータの更新がある。
英訳終わり
合計点をAからEの7段階(B+、C+がある)で分けると上から3つ目のC+ にランクされます。
C+ はアメリカ、イギリス、フランスと言った先進国と同程度の評価となります。
Cランクは「評価すべき特徴もあるが、効率性や長期の継続性に疑問もある」と評価される様です。
Melbourne Mercer Global Pension Index (メルボルンマーサーグルーバル年金指数)
MERCER GLOBAL PENSION INDEX
マレーシアの年金制度(EPF)
EPFだけ1つの記事になりますが、ここでは簡単にまとめてご紹介します。
マレーシアの年金システムは労働者と雇用者(会社)が1:1の割合でお金を出し合い貯めていく仕組みとなります。
貯め方は、日本と同じく給与から天引きされます。
おおよそ給与の11%が引かれます。
労働者が11%に対して会社は給与の12%を出してくれます。
合わせて給与の約23%が毎月貯められていき、定年時(60歳)に一括で支払われます。
注目すべきは毎月の給与が貯められていくだけでなく、EPFの管理を行うKSWPが運用をしてくれます。
毎年KSWPが運用成績を発表しており、昨年は6.15%でした。
運用成績に支払い額は若干変動しますが、マイナスになる事はありません。
払い損をする日本のシステムとは違い積極的に払いたくなる年金システムですね。
こちらは昨年の運用成績の発表された時の記事です。
元記事:Star Media
Star Media: EPF declares 6.15% for conventional savings
マレーシアで就職したら将来の為に必ず入りたいEPFですが注意点もあります。
それは「外国人は任意加入」と言う事です。
本人に入る意思があるか、また会社が入会させるかによって変わります。
また、会社は5リンギ以上支払うと言うルールの為、給与の約12%ではなくそれよりも少ない額しか払わない会社もあります。
マレーシアで働く際の給与を見る際、給与が少なくともEPFでしっかり12%程度払ってもらえる会社であれば月額+500リンギ(約1.3万円)以上を将来もらえる事になります。
EPFの加入有無も福利厚生の一部としてよく検討しましょう。
補足となりますが、日本へ帰国する際は、EPFを解約する事になります。
定年を前に、その時点までに貯められた額が支払われます。
これもまた嬉しいですね。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
前回の記事がまだの方はこちらもご覧ください。
<マーサー年金制度調査の詳細> 日本よりも強いマレーシアの年金制度 〜前編 人生設計をしっかり立てよう〜
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