最近FIRE(Financial Independence Retirement Early)が話題ですね。
一部の方だと思いますが「少額でも不労所得を手にして、物価の安い東南アジアで生活しよう」というのを見かけます。
果たして、可能なのか現時点の物価感を元に検証してみました。

目次
・この記事のFIREの定義
・今後の東南アジア(マレーシア)の生活費を計算してみよう
・FIREしての海外生活の金銭的リスク
・在住者から見て思うこと ー 海外でてやりたいことがなければ続きません

<FIREの定義>

私自身もFIREは目指したいので、様々な記事を読みましたが記事によりFIREは「支出が収入を下回る」、「無理しない程度に働きつつ生きる」等の拡大解釈もされております。
この記事でのFIREの定義は
「若いうちに収入または貯蓄が支出を上回り、労働収入なしに生活を継続していくことができる。」
ここでの労働収入とは「会社員・アルバイト等の労働を行うこと。」とします。
不動産オーナーや株の売買は実際には労働ですが、この記事では働いていない人と定義させてもらいます。


<今後のマレーシアの生活を計算してみよう>

さて、一つ目のトピックとして、果たして今後FIREして東南アジアでのんびり南国生活を楽しめるのか?検証してみます。
こちらが、これまでの物価上昇率です。
スクリーンショット 2021-04-03 11.20.00

もちろん昔の方が発展も著しくので、1980年から39年間の平均は3.01%となります。
直近はどうかというと、過去10年間では2.00%、過去5年間では 1.92%が平均となっています。

仮に毎年2%の物価上昇が続いた場合の株式利回りで生活を続けるシミュレーションをしてみましょう。
・収入
資産6,000万円 ー 年4%(税引後)の利回りを確保
月20万円の生活費
これでようやく資産が減らない生活が出来ます。

・支出
月20万円≒RM7,400 (RM1 ≒ 27円換算)
RM7,400という金額は一人暮らしなら楽勝、二人暮らしでも贅沢をしなければギリギリ生活出来ます。

しかし、ここに物価上昇年2%を30年間加えるとどうでしょうか?
現在の物価を1とした時、30年後は1.78となります。
収入が変わらず RM7,400で、物価が1.78倍になったとしたらとても生活はできません。

30代以下の方なら同じ感覚かもしれませんが、日本は30年間物価上昇が感じられませんでした。
なので、実感が湧かないかもしれませんが、物価が上昇するのは世界では当たり前という事を認識しておきましょう。


<FIREしての海外生活リスク>

日本から離れ生活すると起こる大きな出費は以下となる。
・日本での冠婚葬祭
・医療費、保険代
・住居(修繕や家電の故障)

子供の教育費は?と思う方がいるかもしれないが、そもそも子供がいる場合はFIREは辞めておいた方が良いと考えています。
(よっぽど懐に余裕のある人は別ですが。)
なぜなら子育ては金銭的なボランティリティー要素が多すぎるからです。

・冠婚葬祭
実際に結婚式への参列で何度か帰国しましたが、2泊4日のスケジュールでそれぞれおおよそ10万円が掛かりました。
FIREの仕方にもよりますが、月20万円生活を想定すると10万円は大きな出費となります。

・医療費、保険代
こちらは際限なく上昇していきます。それも、事故であれば突然にです。
病院も国立・私立で大きく金額も異なり、一概に紹介も出来ません。
少しイメージしていただく例として、日本では普段病院で支払う額は健康保険で3割になっていることを思い出してください。
海外で盲腸や風邪で病院に行き支払う金額は日本で10割負担で払うのと同程度の金額となります。
10割とは盲腸手術で50万円、風邪で5千円といったところでしょうか。

・住居、家電
家や家電は生活するうえで必ず必要ですが、こうした物はマレーシアでもそれ程安くはありません。
現時点で地域にもよりますが、外国人の家の購入は最低2,600万円からというルールもあります。
日本と比べれば、確かに広い家が安く手に入りますが、修繕費も安いものの頻繁にメンテが必要になります。(若干粗雑な作りなので・・・)
家電は日本と同じ、または割高だと感じます。
30・40代でFIREする場合、残り30−50年分の修繕・交換費用を想定しなければなりません。


<海外でFIRE生活を目指す人へ 在住者が思うこと>

このように海外生活にはたくさんの(金銭的な)リスクがあります。
FIREに必要な額は人それぞれ異なりますが、記事に書いたような出来事が起きても平気な(精神的にも安定して)生活が出来るでしょうか?

また、FIRE経験者のYoutubeやブログも増えてきています。
その中で気になる話題としては、「FIREしてもやることがない」と言うことです。金銭的な心配のない生活が出来ることはすこぶる良いことだと思います。しかし、私含め海外生活をしたいと思う人が、(性格的に)果たして時間を持て余す生活が出来るのでしょうか?
海外生活でただただ生活費を抑えたいと言うのは、上記の通り持続性が怪しいです。
「物価の安い東南アジアでFIRE」が盛り上がっていますが、果たして
「物価上昇が続く国で労働収入なしで生活できるのか?」
「そこでどの様な生活を送りたいのか?」
今一度検討することをオススメします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。